
朝鮮戦争70周年、戦力強化に邁進する北朝鮮

ヤン・ウク峨山政策研究院研究委員
朝鮮戦争が起きてから70周年になる。私たちが戦争を忘れても、戦争は我々を忘れない。戦争の危険を忘れている国家に、戦争はまた現れる。朝鮮戦争がそうであった。準備なしに迎えた戦争の結果は悲惨だった。当時、国軍は、北朝鮮の半分にも満たなかった。北朝鮮はおよそ10個の歩兵師団(40個連隊)に約20万人の兵力を保有した。
特に中において朝鮮人の兵力を、ソ連でT-34を含めた戦闘車242台を受け取り、侵攻の主軸とした。何よりソ連軍事顧問団は、機動戦の戦術を伝授し、侵攻の細部なところにまで加担した。
これに比べ国軍は8個師団規模だったというが、22個連隊で兵力は10万人にも達しなかった。野砲火力で比較すると、曲射砲は北朝鮮に比べて8倍以上、迫撃砲も2倍以上少なかった。すでに北朝鮮は1949年以降、38度線の国境付近において様々な挑発をしており、戦争の機会をうかがっていたが、当時の国防長官は、「北進統一をしよう」と声高に主張し、実際の戦争準備は怠っていた。

質的優位 vs 核優勢
核を除けば、北朝鮮軍の戦力は大したものではないと見ることもできる。これはある程度妥当である。私たちは、目覚ましい経済成長と半導体など先進国型の先端産業を基盤と先端の在来戦力で明白な優位にある。私たちの戦力の基調は先端戦力の質的優位を通じて戦争を抑制するものである。ところが、兵営国家である北朝鮮を相手に定量的優位を確保することは難しい。
一例として、地上軍兵力は、北朝鮮の40%水準に過ぎず、地上戦の主力である戦車は、北朝鮮の半分水準である2千台あまりに過ぎない。世界最大水準の人口の急減で、韓国軍の規模は2022年頃に50万人に減少、2040年頃には35万人に減少する見通しだ。
しかし、私たちは質的優勢でこれを克服する。第三世代以上の戦車を約80%保有し、約4千台のうち第三世代級が10%にも満たない北朝鮮を圧倒する。さらに、K9自走砲の精密火力と500機を超えるヘリコプターの戦力で立体的な機動と火力を加えれば、北朝鮮は量的優勢だとしても耐えることはできないだろう。さらに先端技術とこれを支える莫大な予算を必要とする海軍力と空軍力で大韓民国の優位は圧倒的だ。
このような格差を誰よりもよく理解しているのは北朝鮮だ。そのため韓米の先端戦力を無力化するために核を掲げてきた。北朝鮮は2021年8回党大会以後、核使用を強調する。戦術核を中心に核戦力を構成して、極超音速ミサイル、固体燃料ICBM、魚雷、ミサイル潜水艦など戦略核兵器も披露した。
核の脅威を現実化するには、北朝鮮はいつでも核を使用することができると誇示しなければならなかった。金正恩は2022年に核兵力の政策法で在来の戦争を含めあらゆる状況で核を使用できると規定し、自分がどれほど狂人であるかを示してきた。
再び在来戦力を強化する北朝鮮
それでも核は使用できない武器だ。ロシアによるウクライナ侵攻においてプーチンは、核の脅威によって米国と西欧のウクライナ支援とウクライナのロシア本土侵攻を阻止してきた。しかし、2024年8月ウクライナのクルスクへの侵攻の際にロシアは核兵器を使用できず、クルスク奪還のためにロシアは北朝鮮軍を迎えなければならなかった。ロシアの核戦略を追従していた北朝鮮にとって大きな教訓となった事件だった。
事実として、金正恩は核戦力だけを強化してきたわけではなかった。政権後、戦車と自走砲など主力兵器を現代化する努力を続けた。ただし、限定された財源の中で、核や通常戦力の同時武装は不可能なため核を求めたのだ。
そして8回党大会によって核戦力化がどの程度完成になったため、北朝鮮は最先端の通常戦力に徐々に目を向けている。代表的なものがまさに偵察能力だ。北朝鮮は軍事偵察衛星と戦略偵察用無人機を確保するという案を明らかにした。
これによって、北朝鮮は2023年11月、「千里馬-1」宇宙ロケットで「万里京-1」偵察衛星の打ち上げに成功し、「セッピョル-4」高高度偵察機と「セッピョル-9」攻撃無人機を開発した。しかし、金正恩が抱いている野心ほどは北朝鮮の技術力が追いつけず、資源には限界があった。
ところが2024年ウクライナ戦争への参戦によって状況が急変した。北朝鮮はドローンとAIが中心となったウクライナ戦争に突入することによって、血の教訓を学んでいる。また、参戦の代価として金銭的利益はもちろん、新しい装備と軍事技術を獲得している。北朝鮮軍のルネサンスが始まっている。
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